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小説 の記事一覧
2007/05/05 化学物語。
2007/04/29 化学君VS遊戯 ―勝負の行方は!?
2006/06/03 私は奏でる、VS化学君 中編。
2006/06/02 私は奏でる、化学君と仲間達。
化学物語。
2007.05.05.Sat / 17:05
皆はゴールデンウィークをちゃんとエンジョイしてるかい? それとも勉強で前部つぶれちゃってるかな? 私いーだはエンジョイしまくってます。一応宿題もありますし、明けにテストがありますけども、そんなこと実感せずに遊びに耽っています。コノ前は調子込みすぎて沖縄の銘酒飲んだり、左手でボーリングのスピンがかけられるように練習したりで、あとはテニスなんかもしたけれども勉強の比率が明らかに低いのはおそらく誰しもがそうだと思っているのであえてつっこまないでおきますわ。
なんか、化学君と携わることがなくなってから、自然と化学君のことを綴ることもなくなってしまって。何か寂しくなってしまったので、気分で化学君を題材にした小説を書きたいとおもいます。おそらく定期的に更新するでしょうね。
今日も元気に作新に出勤。歯を磨き、ヒゲもそり、耳毛と鼻毛はめんどいから、といい威勢よく家のドアを空けて言ってきますとよわよわしく一言。そう、このよわよわしい声の持ち主こそ、我らがスター、化学君だ。家から職場までは10分歩けばつく。なので徒歩というわけだ。チャリに乗ったらいつ転倒するかわからないし。
いつものように鼻歌を陽気に鳴らしながら出勤する化学君。信号は赤。青になるまでしばらく停止だ・・・と思いきや、ふとした周囲の異変にきづく。
車の姿など一つもなく、自分のほかの歩行者すら一人もいない。これは一体どういうことなのか。
不思議に思った化学君だったが、寝ぼけているだけだろうと自分に言いつけると、そのまま気を取り直して再発。少し経てばもとに戻るだろう、と。
しかし、化学君の意に反し、周りは酷くなるばかり。アスファルトの塗装もだんだんとはがれていき、仕舞いには縄文時代らへんの土の道のようなものになってしまった。回りのコンクリートもいつしか草原になっていて、これは自分の気が狂っているからではなくて、周りが狂っているからだ、と気付けた頃には既に後の祭り、化学君は現代社会とはかけ離れた文明をもつ謎の異国の地へときてしまったのである。ちょうど千と千尋のような感じで。
小川のそよそよと流れる春のせせらぎは、鶯の泣き声と共にコーラスを醸している。かすかに香る甘い香りと、それを描写するかのように霞む桃色のもやは、まさに和を感じるにふさわしい情景であった。そのもやの濃いほど、本来ならば青いはずの空も綺麗な桃色になってしまうほどである。
いるからに怪しい。桃色に染まった空には太陽の姿もなく。夢であって欲しいがこれは現実であった。己の運命を嘲笑しようとする化学君。
すると、どこからともなく、桃色にかすんで見えない彼方から雅楽の音が聞こえてきた。
この神社とかでもよく聴くあの独特な旋律にいぶかしみ、音の聞こえてくる方へと足を動かしてみることにした化学君。道から脱線してどんどんとわきの草原を掻き分けて進んでいく。
前は桃色のもやのせいでよくわからない。化学君は勇気がある漢だ。
すると、雅楽の独特の音色が誰かの泣く声へとだんだんと変わっていき、不思議な感覚を覚えた化学君。いつのまにやらこの音源へと辿り着いていた。
目の前には泣いてうずくまっている老夫婦の姿が。こんな道の脇の草原の、しかももやに囲まれて視界が悪くなっているというところで、一体なにをしているのだろうか。化学君は聞いてみることにした。
「ど、どうしたんですか?」
化学君は最初は必ずどもる。この場合、緊張していたからかもしれないが。
この化学君君の問いかけに老夫婦のうちの一人は泣くのを止めたが、顔は俯かせたままでこう返答した。
「ワシらの子供は・・・もとは女8人姉妹でおったのじゃが・・・。いつ年からかワシらの村に頭を8つもった怪物があらわれてな・・・。1年に一度、村の中で一番美しい女をやつに捧げなければならなくなったのじゃ。さもなくば村を殲滅せんとな・・・。もって、8人姉妹中の7人はやつに生贄に捧げてしもうた。たまたまワシの家計には美貌がおおくて・・・。悔しゅうこと限りなしじゃわ。」
無言で聞き入る化学君。
すると、それに対し、老夫婦のもう一人が独り言のようにいう。
「ああ、どなたか。怪物を倒してくださる方はおりませぬか・・・!」
声には絶望感が満ち溢れていた。
「わかった。」
ふと、化学君が『うちゅうじん(は〜と』のときのような笑みを浮かべて口を開けた。老夫婦が俯いていた顔を上げた。
「先生が怪物をやっつけてあげる。先生宇宙人だから(は〜と」
「ま、まことか・・・!!」
老夫婦は化学君の勇ましい姿勢に希望の光を感じた。
「先生、嘘はつかないよぉ〜(は〜と」
「しや、そうと決まれば、ワシらの村まで案内しますじゃ。心強いものが見えて村にいれるのも少しは楽になったわい。」
老夫婦の一方がこういうと、もうかたっぽがきついことを唱えた。
「生贄の時は今宵の子時。しっかり準備してくだせい。」
(は〜(裏声)、今日か・・・!?)
このことを知り、化学君は内心焦ってしまった。臨場感が沸いたからであろうか。
桃色のもやのなかを3人一行は村のほうへ向かってもくもくと歩いていく。やがて、その姿ももやの中へと消えていくことに・・・。
何十分か後。
村に到着したご一行。村は現代的なものとはとてもかけ離れている竪穴住居の集落であった。屋根の藁はやはり桃色で、どうやら発生中のもやはこの桃色のわらぶき屋根が原因かと思われる。
地面には緑が生い茂り、ところどころにモンシロチョウやモンキチョウ、そしてツクシなどもほのぼのと顔を出していた。相も変わらずに甘い香りはふわふわと漂い続けている。
平和そうに見えるこの村・・・しかし、真昼だというのに人一人も外に出ていないことからも、今宵の非情さがよく知れる。
化学君は平和そうな村に矛盾する人っ子一人いないこの異様な風景を目の当たりにしておぞましい気分になった。
そこでふと老婆は言う。
「では、旅の方、どうぞこちらへ・・・。」
そういうと老夫婦は村の一番北にある日当たりの悪い家に化学君をいざなった。
そして3人揃って中に入る。
中に入るや竪穴式だから地面にそのまんま座る仕様だと思いきや、案外そうでもない平安風の寝殿造りっぽい仕様になっていた。
家の一番奥の部分には色とりどりに修飾された簾があり、そのまたむこうからは誰かの泣く声が聞こえる。化学君は声のほうにゆっくりと歩み寄ってみた。
すると、
「ちょっと待て! な、いいか?」
声に呼ばれて振り替えるや、化学君の後方、この家の玄関に何者かが立っていた。直衣に身をつつむ其の姿、見れば実は白衣だったり。翻るその要望に、周りの世界観と似合わずめがねをかけているその男、彼の名は・・・
「全国のトッププレイヤーは・・・ここで打ちます。」
・・・オヤジだった。腰に刀を携えての登場。
ちなみにオヤジというのは、化学君のライバル的存在な人です。いつも理科棟の職員室にいます。文系の理科を担当。
化学君は学校での同僚の姿に感激し、ゆっくりと歩み寄る。
「オ、オヤジ〜ぃ!」
「触るな!」
オヤジの神経を尖らせた発言。化学君は一瞬オシッコをちびった。
オヤジは続ける。
「な、だいたい初対面でその態度はないだろ。あほっ。」
「!? オ、オヤジ!?」
ふと、化学君はこのとき初めて悟った。コイツはオヤジではない。別人なのだ、と。
オヤジは続ける。
「俺の婚約者に手をつけるなよ、な、いいか?」
「こ、婚約者って・・・誰ぇ?」
「お前が今覗き見しようとしたやつだ。」
化学君はちらと先ほどの泣いている人を簾の外から頑張って覗き見しようとした。俯いていてよくわからないが、美しい髪の毛をしている横顔の女性らしき人が中に一人いることだけは確認できた。
「数日前に婚約を許可してもらったのだから・・・。な、いいか?」
「ぇ〜、別に手を出そうとなんかしてないよぉ〜。ただ、誰が泣いてるのかなぁ〜って、そう思って。でもぉ、そんなぴりぴりしなくたっていいじゃん。何かあったのぉ? 宇宙人?」
「児が今宵、生贄になる身・・・」
これには老婆が口を開いた。
「ワシらの一番下の最後の娘じゃ。人にもてるがゆえん、どうやら怪物にももてるようで。それでこの男からも婚約の願いが出でたのじゃが、残り最後の娘は誰にもやれる気になれなくてな、でも怪物に食われる身じゃし怪物から護ってくれるようなやつを傍につかせたいという思いもあってな、怪物を倒してくれるなら、という条件つきで婚約を承ったわけなのじゃ。」
老婆の説明に、なるほど納得し頷く化学君。それで、
「なぁ〜んだ、それでオヤジはこんなに慎重になってたわけかぁ〜。」
と感嘆。
「オヤジじゃない。オヤヂだ。な、いいか?」
とオヤヂ(笑)が反論するも、
「別にいいじゃん(は〜と」
と軽く答える姿勢は化学君らしい。
そしてオヤヂは続ける。
「とにかく、今日はそっとしておきなさい。な、いいか? 時間が来るまで一人にさせておけ。」
「は〜い(はーと」
化学君の間が抜けた返事。
夜になるまではしばらく時間がある。なので化学君は外に出てちょっくらふらふらしてみることにした。
村の岸壁を登っていった端っこにはハシゴで登って鐘をならす、高床式の祭壇があった。どうやら生贄はここに佇むらしい。
周りには気が早く、銅鐸や鏡、フルーツまでもがこれでもかといわんばかりに並べられている。こんなたくさんの品が一体こんな人影の無い村のどこに貯蓄されているのかと疑ってしまうほど。
月が笑うまで結構時間が残っている。果たして、怪物とは一体どのようなヤツなのだろうか。化学君は思いに耽っていた。
つかれた〜。
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化学君VS遊戯 ―勝負の行方は!?
2007.04.29.Sun / 22:04
化学君と遊戯のデュエル・・・。3回にわけて執筆しようと思っていたのが、最後のシメだけが忘れ去られてしまったかのように・・・、こんばんはEiDです。しばらくブログ更新しなかったから文章能力落ちた。
みんな忘れてしまったかもしれないけど、去年の6月の2日と3日にかけて、実は僕小説を書いたんよ。題材が『化学君』で、内容が、彼が重要でもないのに強調して話す発言が、遊戯王の『デュエル!!』とかいう発言と似てそうだったから、彼が遊戯とデュエルをする、ってな意味不明な設定で。あぁ〜、化学君かぁ〜、懐かしいな・・・。藁
いや、でもその小説ってばな、まだ完結していなくてな、そのまんま今日までずっと引っ張ってきちゃったわけよ。だから「いつになったら最終話かくんじゃぼけぇ」てきなクレームを、某ゼンラーを初めとするそういう系の人から食らっちゃって。だから今日書きます。約一年の歳月を経、名も無きファラオと元素を掌りし者の天空に轟く混沌の雷雲を引き裂かんばかりの因縁の干戈よ、光と闇の制裁と共に今火花を吹き上げよ!!!
・
・
・
(前回までのあらすじ)
めんどいから、カテゴリーの「小説」を選択して、出てきた章をそれぞれ読んでください。あえては書きません。
では本編。
遊戯
LP:4000
フィールド:マグネットヲーリアーα、マグネットヲーリアーβ、羊トークン*2 計4体
(「団結の力」をマグネットヲーリアーα装備)
化学君
LP:4000
フィールド:なし
闇に包まれたこの祭壇は、まるで傍らに聳え立っている女神像に敗者を供物として捧げるにふさわしい雰囲気を醸している。
先ほどの遊戯の仕掛けた聖なるバリアによって、見事木っ端微塵に粉砕した化学君の切り札「S・C・O・P」は、その自慢の10000000という高すぎる攻撃力を生かせぬまま、砕け散った金属片を化学君の足元に散らばせていた。―彼自身のハートの鏡を写しているかのようにも見えないこともなく。
そんな間にも、化学君の心臓を狙って、団結して攻撃力が4700に跳ね上がった磁石の戦士が突進を続けている。化学君のLPは4000。とてもじゃないがくらえば闇にその存在を抹消されてしまう。
(フフッ・・・どうやらこのデュエルは俺の勝利のようだぜ・・・)
腕を組んで脳裏でぼやいたのは、誰も真似できない髪形を持つ男、名も無きファラオこと遊戯。こんな髪型なやつおそらく原宿にもいない。と思う。
磁石の戦士はある一定の幅を保つと、そこから化学君のほうへ向けて磁力の増強を図った。磁力は次第に強くなっていき、とうとうそれは地盤を破壊するほどの強さになっていった。攻撃力が4700の磁力ゆえん。
砕かれた地盤に化学君の姿は見えなくなってしまった。
そして磁石が攻撃を終えると、磁力はもとの強さに戻り、地盤の変動もコレにてストップした。化学君がかつてそこでデュエルをしていた場所は、無残にもグチョグチョになってしまっていて、とてもとても人工物とは思えない。そこには遊戯の圧倒的な力によって蹂躙された辺鄙な敗者の姿もなく。
「ククク・・・、化学君! 貴様、よくやってくれたぜ! 俺の失われた名も無きファラオの名前のためにも貴様には死んでもらう必要があったのだ。フハハハハハ!」
闇の空間にはただ勝者の雄たけびが聞こえるだけとなった。女神様の目にはこの光景がどう見えるだろう。しかし、遊戯の目に映ったものは次の瞬間に偽りとなる。
「か・・・、化学君!?」
よく見てみれば・・・まだ何者かの人影がそこにはあった。そう、我らがヒーロー、化学君だ。
「ば、バカな! やつのLPはゼロになっているはず!!」
あせって化学君のLPを見る遊戯しかし・・・
「な、なんだと! そんなバカな!!」
本来なら数字が記載されるLPの枠・・・。しかし彼のLPの枠には数字ではなくて何故かハイフンが記載されていた。これは一体何を意味するのか。
「だって・・・」
と、ふいに化学君が重い口を
「だって・・・誰も聞いてくれないんだもん・・・。」
悲しそうな顔を浮かべながら、こう化学君はいった。
これには遊戯も反発する。
「貴様、これはどういうことだ! ちゃんとルールは守ってもらわなきゃ困るぜ!」(まぁ、この場合負けたら強制的に死ぬんだけどね・・・
と。
でも、化学君はそんなことなんか聞き流しているかのように、全くの無反応で振舞う。
すると突然俯きかげんの暗い顔から超嬉しそうな顔になったと思いきや、思いも寄らぬ発言をぶちかます。
「
自習にしてくださ〜い。
」
これには遊戯も度肝をつかれた。遊戯は精神的にLP3000くらいのダメージを受けてしまった。
遊戯はいくら化学君に勝負の話を持ちかけてもまったく相手にしてもらえなくなってしまった。自習なのだから静かにしなきゃいけないと言って突っ返されてしまう、それゆえんだ。
50分後、3時間目の化学の授業(内容は50分まるまる自習だけど)を終えた化学君は理科棟の職員室に帰っていった。祭壇の周りは底の無い闇が果てしなく続いているので、到底脱出手段などは無いはずなのに。そもそもが入場手段すらも不明なのに―
化学君は一体どうやってこの闇が渦めく空間を脱出して職員室に帰っていったのだろうか。そう一人考え耽っている遊戯は、今度は迫り来る餓死とデュエルしていた―
-fin-
なんか、疲れたから描写表現が荒いです。
この「闇の祭壇」ですけど、私の描写のせいで想像しにくいと思いますので、後々分かりやすくイラスト描いてアップしたいと思います。
追伸。
闇の祭壇です。
周りは果ての無い闇です。どうやって化学君は理科棟に帰ったのでしょうね。
・・・なんか、女神っていうか、インドの仏像っぽいなぁ。私の画力もまだまだです。
小説
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私は奏でる、VS化学君 中編。
2006.06.03.Sat / 18:42
(続き)
闇の空間、不気味な女神の見守る高さも知れない祭壇の上で、“ゼミナール”という最強(らしい)の書物のページが開かれた。
(クッ、このカードは一体・・・?)
目の前の謎の“副教材”にビビる遊戯に、相変わらずの無表情ぶりで対応する化学君。最初の遊戯の威勢のよさは風の前の塵と消えていた。
化学君が口を開く。
「今回の中間試験は、ゼミナールを完璧にこなしていれば簡単なので、・・・、土日にしっかりと勉強しておいてください。」
そういうと、場に突如と出現したゼミナールは消えていった。どうやら、ただの見掛け倒しらしい。
「フン、驚かせてくれるぜ・・・。」
流石の遊戯も、この見掛け倒しには驚きのあまり疲れたか。
「でも・・・、私のターンはまだ終わっていないわけですが、・・・手札から“酸素”召喚。」
化学君がデュエルディスクにカードをおくと、フィールドには酸素が出現した(目には見えないが)。攻守0/0。
「はい、終わりまーす。」
「俺のターン! ドロー!」
しかし、まぁ、化学君のあとの遊戯のドローぶりは、ギャップのセイからか、ものすごい勢いが強い印象が持てる。
遊戯はしばらくドローしたカードに視線を当てた後、デュエルディスクにカードをたたきつけた。
「よし、来たぜ! 俺はマグネットヲーリアーβを召喚する!」
遊戯の場のαのとなりに、今度はβが姿を現した。攻守は曖昧なのでまたも1500/1500としておく。
「さらに、魔法カード“団結の力”、“迷える子羊”発動!! これにより、α攻撃力は3200ポイントアップし、4700ポイントとなる!!」
迷える子羊がフィールド上に2体出現した。そして場に存在中の4体のモンスターでみんなで団結して円陣を組んだ。団結力が力となり、αの周りには黄色いオーラが出現した。
(よし、コイツで酸素を攻撃すれば、やつのライフは一気に0になって(※1)俺の勝ちだ。化学君には悪いが、これは長年の因縁の対決。俺の“名も無きファラオ”の名前を思い出すためにヤツには死んでもらうぜ。)
「
いけ! マグネットヲーリアーα、酸素に攻撃! 『魔倶祢戸斬!!!』
」
αは攻撃の構えをとると、そのまま化学君の酸素に突っ込んでいった。
「あばよ、化学君。・・・?」
しかし、化学君は倒れない。遊戯の計算が外れた。
「
酸素と言うのは!!!!!
」
化学君は突然大声で話を切り出した。祭壇の遥か下方、肉眼では闇が見えるばかりで、じべたなどは到底目に押さえることはできないはずなのだが、彼のあまりの大声さではその高度も無とし、じべたで反射したと思われる声が再び耳に戻ってきた。それまでに要した時間、20秒。とすれば、この円柱型祭壇を上から下まで10秒で行くこととなるので、音の速さを340m/秒として計算すれば、祭壇の高さは3400mとでる。
3.4kmの大理石の円柱型祭壇と、そこから100m離れた位置から見守る、手を差し伸べた深緑色の不気味な女神、そしてその周りを囲む、デリス・カーラーンを思い出させてくれる蠢く闇。そんな状況の下に轟いた化学君の発言。どれほどの大きさであったか、読者の諸君も分かってくれよう。
「・・・、酸素と言うのは、気体なので体積をもちません。なので物理的なものも体積を変えることで受け流すことが出来るわけなので、磁石のモンスターの攻撃はききません。そこのところは、プリントなのでよく復習しておきましょう。もしかしたら、中間試験に出るかもしれません。」
知る人ぞ知る、いつもの言い回し。
遊戯は言う。
「なるほどな、そうくるか、化学君・・・。」
遊戯は化学君が昔と変わっていないように見えたが、決闘をしているうちに昔とはまるっきり別人のように変わっていたことに気付いた。―もっとも、服だけは変わらずいつも同じヤツを着ていて、10年前の“終焉の決闘”時のときから一回も風呂に入っていないな、ということは最初に匂いで感づいていたのだが。
正直な話、攻4700のαがゴム状硫黄の攻撃を食らったとしても、攻が700000もある相手では太刀打ちできずにそのまま遊戯は死んでしまう。切り抜けるには、もはやモンスターではなく、魔法・罠カードの使用がカギだ。
遊戯はふと、手札のすみにたたずんでいた“聖なるバリア-ミラーフォース-”に目を向けた。これなら、あのサイエン・・・、もといケミストリーモンスターも破壊できるはず。こっちからの攻撃ではなく、おのの拳によって自らのことを虐げるのである。とりあえず、遊戯はミラフォをセットすることにした。
「俺はリバースカードをセットし、ターンエンドだ!」
(フフッ、来いよ、化学君。貴様が攻撃のスイッチを入れた瞬間に、貴様のモンスターは木っ端微塵に粉砕するぜ!)
果たして遊戯の望みどおりにいくのであろうか。
化学君は相手のターン中はタレ目エロ目でボーっと見ているだけだが、自分のターンになっても、それに変化はない。ターンを進行していく上での動きは別として。
「私のターン。
ドロー!
」
テンションの地味さは相変わらず。
化学君は引いたカードを手札に加えると、フィギュアでも観察するように手札を眺めてにやけた。
それを見た遊戯は、所詮無駄に終わるぜ、とでも言わんばかりの嘲笑気味の目つきで化学君を見つめた。
化学君は東京のカブト虫を見たことないような子供が、わざわざ8km離れた田舎まで車を走らせて行った森で、仕掛け設置と捕獲作業の末に、ようやく手に入れたカブトムシを高々と掲げて、パパやママにみせて無邪気に喜んでいるような顔で一枚のカードを掲げた。
「魔法カード“
価電子の性質!!
”」
見ればスゥっと謎の物体が場に召喚されていた。右から、炭素、リン。
「価電子は原子核を回っている最外殻の電子の一つなわけですが、そのところはゼミナール
では、
などで、確認していると思いますが・・・。」
一回かんだ。
「・・・同素体を召喚できるわけです。」
「同素体・・・? !! ・・・まさか!!??」
化学君の解説で遊戯はようやく全てを理解した。場にそろったカード、硫黄(S)、炭素(C)、酸素(O)、リン(P)。そう、“
S・C・O・P
(
スコップ
)
”!! 10年前の悪夢が再び蘇る。
(クソッ、やつの切り札である、あの“スコップ”が僅かなターンで召喚されただと? ばかな! 短期間でやつが俺よりもこんなにデュエルの腕を上げていたとは・・・。)
遊戯の額からは驚きが汗となり顔面から放出した。
スコップ。攻守10000000/0。化学君の切り札的カードだ。
「えーっ、それでは、βに攻撃しまーす。」
化学君はいつものテンションで攻撃宣言を放った。
スコップは次次と形を変貌させながら、無防備なβに攻撃を図る。
しかし、遊戯もそれに対し、言葉を放つ。
「フフッ・・・、いま、確か『攻撃』といったよな・・・。相手プレイヤーの『攻撃』の言葉がスイッチとなって発動する罠カード“聖なるバリア-ミラーフォース-”発動!」
スコップの攻撃が聖なるバリアによって跳ね返された。そして想像できかねるが、スコップは自分の攻撃を自分で食らって死んだ。スコップの撃破も全ては遊戯の策略のうちにあったのだろう。
化学君の場はスコップの破壊によりすっからかんになった。次のターン、団結したαが攻撃を仕掛ければ、化学君は決闘に敗北して、闇のゲームのルールに従い命諸共闇に封じ込められる羽目になる。尤も、今の境遇では化学君がそうなっても特に不思議でもない。この戦いの勝ち負けは完全に遊戯の手に委ねられていた。
しかし、一方の化学君。別に不安そうな表情も浮かべずにただただつったっている。無表情でどこか遠くばかり見ていそうなエロタレ目には何か策略が秘められているのだろうか。しかし、この表情をいつもの化学君の顔ととらえれば、不自然なしにいつもの化学君だと解釈できる。いずれにせよ、この化学君の心の中は誰にも読めない。
(クッ、化学君のヤツ、どうして何も動じないんだ・・・!? やはり何かの策が・・・)
「え〜、ターンを終了しまーす。」
(!?)
遊戯の訝しげな感情は悉く裏切られた。
どうやら、化学君は何もリバースカードを伏せずにエンド宣言を行っていたようだ。彼の手札はまだ十分に温存されている。しかし、それなのにも関わらず、第一命が掛かっているというのに、平然とすっぽんぽんでエンド宣言を放つデュエリストがいようか。いや、まずあの無表情な顔を見よ。不安なしぐさもあせも一つかいていない。もしや、これもただの策の一つに過ぎないのではないか。
―疑えば疑うほど泥沼化していく・・・。
「・・・まぁ、いい。俺のターン、ドロー!」
間髪が入る。
「マグネットヲーリアーα、ダイレクトアタック!」
(さぁ、化学君・・・。来るか・・・?)
攻撃を構えるα。目指す的は無表情の化学君。そしてその先に待っているものは―――
続く。乞うご期待。頑張ったけどとても疲れた。
※1 ライフポイントは4000ってことにしてある。
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私は奏でる、化学君と仲間達。
2006.06.02.Fri / 21:19
気付いたんだけど、化学君が放つ『硫黄の実験!』や『ゼミナール!』などの重要でもいないところを大きくする発言は、遊戯王の『ドロー』や『デュエル!』などの発言とマッチしているような気がするんだ。なんだか面白そうなので、化学君と遊戯のデュエルを小説形式で綴ろうと思う。まぁ、化学君を知らない人は微妙かも知らないけど、EE1-3の人なら多分受ける。多分ね、多分。
ちなみに、僕は遊戯王についてはある程度知ってるつもり。経験者だし。
二人の男が闇の中で向き合っていた。雨のシャワーを浴びるように上に向けた掌を差し出した不気味な深緑の女神像の前の円柱型の大理石の祭壇、高さは計り知れなく、見下ろせば底の知れぬ闇に視界を染められそうな祭壇の上、二人の男はにらみ合っていた。女神像と円柱祭壇との距離は100mは離れているよう、女神像の横ではたいまつが焔と燃えていて、ただでさえ不気味な緑の女神像がさらに不気味な顔で写っている。
闇に音を抹消されたような静寂さの中、不意に音が流れた。
「ふ・・・、久しぶりだな、化学君・・・。ここであのときの決着をつけようぜ!」
女神像の空間には赤と黄色の稲妻ヘアー、おそらく誰もまねできないであろう髪型の持ち主“武藤遊戯”の声だけが闇に支配された静寂をかき消し、こだました。それに対し、白衣を身に纏った髪の毛が薄い地味でエロずらの“化学君”と呼ばれた男は、知っているものからすれば相変わらずといったテンションで振舞う(?)。
「・・・、化学はじめまーす。」
「フッ、相変わらずだぜ、化学君。この様子だとあれからちっとも進歩していないようだな。・・・はじめるか。」
無表情の化学君VS笑みを浮かべた遊戯。
“決闘!!”
しかし、なによ、この面子。闇の中の祭壇(+女神)に遊戯っていう組み合わせは別におかしくないんだけど、そこに化学君が入ってくると執筆最中なのに笑えてくる(ぁ まぁ、それはおいといて・・・。
「先攻は俺からだぜ! ドロー!」
遊戯は勢いよくデッキからカードを1枚ドローした。化学君は無表情なたれ目でそれを見守る。感受性が疑われてもおかしくないリアクションで。
「俺はこいつを攻撃表示で召喚するぜ!」
場に現れたモンスターはマグネットヲーリアーα。攻守1500/1500くらい。詳しい数値は忘れた。
「リバースカードを1枚セットし、ターンエンドだ! さぁ、化学君、貴様のターンだぜ!」
遊戯は腕を組み、威風堂々たる表情をみせている。なにか策でもあるのだろうか。
「私のターン、ドロー。」
化学君は地味に弱弱しくカードを引いた。遊戯とは対照的である。
「そういや、化学君。」
突然、遊戯が口を開いた。
「これが闇のゲームだってことはまさか忘れてないよな。前回の続きだってことを忘れるなよ。」
ピタと化学君が石像のように固まった。
闇のゲーム―――デュエルに負けたものは命を失すという、恐ろしいルール。単に命が賭けられるといえど、簡単に肯定できるものではない。まさに真のデュエリストならではの究極のルールなのである。よい子はまねしないでね。
「まぁ、いい。化学君、ターンを続行してくれ。」
言うと、石像は動き出した。
そして地味に弱弱しくカードを場に出す。
「魔法カード、
硫黄の実験!!
」
「何んだと!?」
驚きの声を上げる遊戯の前、闇の祭壇の上で、試験管につめた硫黄を、木でできたハサミっぽいやつでガスバーナーであぶる実験が始まった。たちまち試験管の中で化学反応が起こり、謎のゴム状の黒い物体が出来上がった。
「
ゴム状硫黄!!
」
出来上がったモンスター、ゴム状硫黄。攻守700000/0。
「
磁石のモンスターに攻撃!
」
ゴム状硫黄はゴムのように形を変化させながらαに攻撃をしかける。これをくらったら即行で遊戯との決着はついてしまう。
「フッ、少しは上達したじゃねぇか、褒めてやるぜ化学君。でも、俺を倒すにはまだスキルが足りなかったようだな! リバースカードオープン、“サイエンス・バスター”!」
「
何だ? 宇宙人か?
」
化学君の間抜けたリアクション。
突如、ゴム状硫黄が謎のスモッグに包まれて姿が確認できなくなった。どうやら、それには流石の化学君でも度肝をつかれたらしい。
「フフッ・・・、このカードは
サイエンス
モンスターを1体破壊できるのさ。そう、化学君、貴様のゴム状硫黄も海の藻くずだぜ!」
途端に
ヅッカーン
という強大な擬音語が空間にこだますると、ゴム状硫黄の姿は見えなくなった。
「所詮は化学君だぜ。俺のブラックマジシャンデッキにはまだまだ及ばないな。」
遊戯の勝ち誇ったような発言。勝利の表情。
だが、おっさんは新しいおもちゃを買ってもらったが、素直に叫ぶのも卑しいので、表情だけで嬉しさを表現している子供のような満面の笑顔でこう返した。
「
ケミストリー!!
」
「・・・(;´A`)?」
リアクションに困る遊戯。更におっさんは、サブ教材の“ゼミナール化学”をかばんから出して続ける。
「化学は英語で“ケミストリー”といいます。スペルはこのゼミナールの上のほうに書いてありますので、見ておいてください!」
おっさんが一瞬無邪気な子供のように見えたが、瞬時に遊戯は全てを理解した。おっさんのモンスターは“サイエンスバスター”ではなく、“ケミストリーバスター”でしか破壊できないのだ(おっさんの発言より)。
(くそ、俺としたことが・・・。)
「さらに、最強究極魔法カード、
ゼミナール!
発動!」
フィールドに巨大なサブ教材、ゼミナール化学があらわれた。先ほど、化学君が紹介した自慢のサブ教材だ。
(クッ・・・。)
遊戯の額には負けへの焦りと不安が汗となって額からあふれていた。
・・・疲れたので一旦切り。続く。
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